鳴き(副露)とは
麻雀は山から牌を自模る(ツモる)以外にも、他の人が切った牌をもらって手を進めることができます。鳴きを利用することによって、早くあがりに近づくことができます。ただし、メリットばかりではありません。門前(メンゼン)より点数が安くなったり、手牌が短くなることによって、他の人の立直などに対応し難くなります。鳴きには「ポン」「チー」「カン」があります。
ポン
自分が同じ牌を2枚持っているときに、他の人がその牌を切った場合「ポン」と発声すれば、刻子(コーツ)にすることができます。ポンは誰からでも鳴くことができます。
ポンをした場合鳴いた人の方向の牌を以下のように倒します。
ポンの手順
- 鳴きたい牌が捨てられたら「ポン」と発声をする。
- 手牌から鳴きたい牌2枚を他家に見えるように倒す。
- 捨てられた牌をもらい刻子(コーツ)を作って自分の右端にさらす。
- 自分の手牌から不要な牌を1枚河に捨てる。
チー
あと1枚あれば順子が完成するときに、上家がその牌を切った場合「チー」と発声すれば、順子にすることができます。チーは上家からしか鳴くことはできません。チーをした場合鳴いた牌を一番左に置き倒します。
チーの手順
- 上家から鳴きたい牌が捨てられたら「チー」と発声をする。
- 手牌から鳴きたい牌2枚を他家に見えるように倒す。
- 捨てられた牌をもらい順子(シュンツ)を作って自分の右端にさらす。
- 自分の手牌から不要な牌を1枚河に捨てる。
カン
同じ牌4枚を1つの面子として使うことも可能です。そのためには「カン」をする必要があります。カンには暗槓(アンカン)・大明槓(ダイミンカン)・加槓(カカン)の3種類があります。
暗槓(アンカン)の手順
- 手牌の中に同じ牌が4枚あって「カン」と発声をする。
- カンをする4枚を他家に見えるように倒す。
- 4枚のうち両端2枚を反対にして自分の右端にさらす。
- 嶺上牌から1枚ツモり槓ドラをめくる。
- 自分の手牌から不要な牌を1枚河に捨てる。
暗槓(アンカン)は自分の手牌に同じ牌が4枚あるときに、「カン」と発声して以下のように牌をさらします。暗槓は自分の順番に行うことができ、門前(メンゼン)扱いとなります。
大明槓(ダイミンカン)の手順
- 手牌の中に暗刻(同じ牌が3枚)あって4枚目が捨てられたときに「カン」と発声をする。
- カンをする4枚を他家に見えるように倒す。
- 捨てられた牌をもらい槓子(カンツ)を作って自分の右端にさらす。
- 嶺上牌から1枚ツモる。
- 自分の手牌から不要な牌を1枚河に捨て槓ドラをめくる。
大明槓(ダイミンカン)は自分の手牌に同じ牌が3枚あるときに、他の人がその牌を切った場合「カン」と発声すれば槓子にすることができます。大明槓は暗槓とは違って門前扱いとはなりません。ポンと同じ要領で鳴いた人の方向の牌を以下のように倒します。
加槓(カカン)の手順
- すでにポンをした牌と同じ牌が手牌にあって「カン」と発声をする。
- カカンする牌を他家に見えるように倒してポンをしてさらした牌の上にさらす。
- 嶺上牌から1枚ツモる。
- 自分の手牌から不要な牌を1枚河に捨て槓ドラをめくる。
加槓(カカン)はポンをしている状態で、同じ牌が手牌にあるときに、自分の順番に「カン」と発生すれば刻子にくわえて槓子にすることができます。加槓は倒している牌の上に以下のように重ねます。
カンをするとドラが一枚増えます。そのためカンをするときは自分や相手の利をよく考えてする必要があります。カンをしたらリンシャン牌を1枚ツモります。海底(ハイテイ)でカンはできません。
鳴き(ポン・チー・カン)の優先順位
ポンとカンのタイミングが同時になることは、牌の枚数的に起こりえませんが、ポン(カン)とチーのタイミングが重なることは起こります。ポン(カン)とチーが同時に起きた場合、ポンまたはカンが優先となります。そのため、チーの発声を行う場合は一呼吸おいてポンの発声がないことを確認して行いましょう。チーは上家から行いますが、次のツモ番は自分なのでチーの発声前に他の人がツモ牌をとることもありません。
まとめ
他の人が切った牌をもらって自分の面子にすることを「鳴く」「鳴き」「副露」「食う」「晒す」などといいます。鳴きには「ポン」「チー」「カン」があり、同時の場合チーよりポン(カン)が優先となります。上家(カミチャ)から鳴いた牌は左に、対面(トイメン)から鳴いた牌は真ん中に、下家(シモチャ)から鳴いた牌は右に倒して晒します。